佐藤裕介さんに聞くシュピゲラウ『クラフトピルスナー』の魅力

 

クラフトピルスナーこれまで、IPAに始まりスタウト、ウィート、バレルエイジと、それぞれのビアスタイルの持ち味を引き出すことに特化したシュピゲラウのクラフトビールグラスシリーズ。そのラインナップに『クラフトピルスナー』が加わった。日本はもちろん、世界でももっとも飲まれているビアスタイルだけに、その興味は尽きない。そこで、極上のピルスナーを飲ませてくれることで知られるブラッセリー ビアブルヴァードとピルゼンアレイのオーナーである佐藤裕介さんに、実際に使ってもらいその魅力を伺った。

佐藤祐介 ピルゼンアレイ

佐藤裕介(さとう ゆうすけ)
79 年北海道札幌市生まれ。バーテンダー、ビール専門店店長を経て、2014 年に「ブラッセリービアブルヴァード」を独立開業。世界各国の様々なビール文化を体験し、フレキシブルなビール注ぎを目指す。2015 年にはピルスナーを究める「ピルゼンアレイ」をオープンする

佐藤裕介さんは、15年近くの間、ヨーロッパ各国、アメリカ、アジアと訪れ様々なビール文化を体験する一方、アサヒスーパードライをとことん美味しく飲ませることに注力してきた。約3年前に独立し、新橋に「ブラッセリー ビアブルヴァード」、そして、一昨年銀座にピルスナーの生まれ故郷である”ピルゼンの小路”という意味のスタンディング・ビアバー「ピルゼンアレイ」を開いた。なにゆえ、佐藤さんはそこまでピルスナーに想いを馳せるのか。
「バーテンダーからビール専門店の店長に転身する際、イギリス、アイルランド、オランダ、ベルギー、ドイツ、チェコを回ってビールを飲みまくったんです。その中で、もっとも衝撃を受けたのが、チェコのブドヴァルやウルケルのピルスナーでした。ビール自体が違うのか、注ぎ方が違うのか、グラスが違うのか──。何かを取り上げて云々ではなく、すべてにおいて、日本のそれと違うように感じました」
1842年にピルゼンで誕生したピルスナーは、瞬く間に世界に広がり、現在では世界で最も飲まれるビールとなった。読者の中にも「やっぱりピルスナーが好き」という方も、少なくないはずだ。そんなピルスナーのために、満を持して登場したのが、シュピゲラウの「クラフトピルスナー」だ。同社のクラフトビールグラス シリーズは、毎回そのビアスタイルで定評のあるブルワリーとのワークショップによって作られるが、今回、同社がパートナーに選んだのはオーストリアのトゥルマー醸造所だ。
「実はピルゼンアレイの開業直前に、トゥルマー醸造所に行きました。彼らは、グラスに対し独自の理論を持っているので、ぜひ詳しくお話を聞きたいと思いまして。ただ、残念ながら連絡の行き違いがありグラス談義はできなかったのですが『トゥルマーピルス』はたっぷり飲んできました」と佐藤さん。
さっそく「クラフトピルスナー」を使った印象を伺うと──。
「まず細目のフォルムなのでクリーミーな泡をきれいに載せるために『シャープ注ぎ』で注いで見ました。飲んだ感じもきめ細かな泡と強めの炭酸が口の中できれいに混ざり、好印象でした」

3種類の注ぎ方を使い分ける佐藤さん

シャープ注ぎ サトウ注ぎ マツオ注ぎ 
3種類の注ぎ方を使い分ける佐藤さん。プロフェッショナルの所作は、見ているだけで気持ちいい。

佐藤さんの言う「シャープ注ぎ」とは、まずグラスにビールを注ぎ、その上に泡を重ねる、日本でのスタンダードな注ぎ方だ。
強めの炭酸のビールとクリーミーな泡の一杯となる。ちなみに、佐藤さんはチェコで主流のビールと泡を分けずに一気にグラスに流し込み、適度に炭酸を抜くことで、ビールの香り、味わいとバランスを取る「サトウ注ぎ」、そして一度大きく泡立て、炭酸をしっかり抜くことで、刺激の影に隠れている味わいを引き出す「マツオ注ぎ」(ビアライゼ98のマスター松尾光平氏の考え方にちなんでいる)3種を使い分ける。
「ピルスナーは、他のビアスタイルに比べモルトのボディ感や甘味、ホップの香りや苦味は少ないです。しかし、少ないからこそ、それらが繊細なバランスの上で成り立っています。このグラスはホップの香りやモルトの甘味を、ビール本来のバランスを崩すことなくしっかり感じさせてくれます。細身で、トップがすぼまっているので香りが逃げにくく、ビールもそっと口に流れ込む。そのため、繊細な香りもしっかり探せるし、微かな甘味や苦味も感じることができるのでしょう」
佐藤さんが言うように、ピルスナーの香りや甘味、苦みは他のスタイルに比べれば少なく、そして繊細である。しかし、普段は見逃していた微かなものほど、見つけた時の喜びは大きい。「クラフトピルスナー」で、ピルスナーのこれまでとは違った一面を見つけていただきたい。

ブラッセリービアブルヴァード

Brasserie Beer Blvd.

(B.B.B)
東京都港区新橋5-10-8
カルチャーセンタービル2F
☎ 03-6435-9266
営業時間
月~金12:00 〜14:30(L.O.14:00)

             17:00 〜24:00(L.O.23:30)
土16:00 〜23:00(L.O.22:30)

定休日:日、祝

クラフトピルスナー(2個入)

<クラフトビールグラス> クラフトピルスナー(2個入)
¥3,780(税込)

http://shop.spiegelau.co.jp/products/detail.php?product_id=95

聡富樫

富樫 聡[Satoru_Togashi]

シュピゲラウ・ジャパン マーケティング部

カフェブームに乗じて、インテリア・テーブルウェア業界でキャリアをスタート。 市場調査でNYに赴いた際、某「食のセレクトショップ」に出会いファインフードに目覚め、勢いでそのお店に転職。 食と食器の関係を追及すべく、現在はリーデルのグループブランド、『シュピゲラウ』のマーケティングを担当する。

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